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Channel: ヒットしなかったけれど、ちょっといい曲
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Scott Engel(Walker)“Kathalene”1958

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Scott Engel 1.jpg60年代中頃のポップス~ロック界で一世を風靡したウォーカー・ブラザーズ(Walker Brothers)。「涙でさようなら(Make It Easy On Yourself, 1965)」(全英1位、全米16位)、「太陽はもう輝かない(The Sun Ain't Gonnna Shine Anymore, 1966)」(全英1位、全米13位)、「孤独の太陽(In My Room, 1966)」、「ダンス天国(Land Of A Thousand Dances, 1965)」など矢継ぎ早にヒットを放ち、1965年結成から2年後の1967年に解散してしまったグループ。イギリスを中心に世界的に活躍し、日本でもかなり人気を集めた。イケメン3人組だったためか、とりわけ女性からの人気は凄まじいものがあった。

今回は、メンバーのひとりでリードシンガーのスコット・ウォーカー(Scott Walker)、まだスコット・エンゲル(Scott Engel)と本名を名乗っていた15歳の頃歌った「キャサリン(Kathalene, 1958)を紹介し、あわせて彼の歌う当時のティーン・ポップスの何曲かを聴いてみたい。

当時のことを思い出したのでちょっと書いておきたい。
1966~67年頃といえば、私は黒人Doo Wopに夢中になっており、ラジオはFEN(米軍極東放送、現AFN)を中心に聴いていたが、それでも「9500万人のポピュラー・リクエスト」や「ユア・ヒットパレード」、「ハロー・ポップス」などの番組を欠かさず聴いていた。だから、「涙でさようなら」や「太陽はもう輝かない」などのヒット曲はけっこう馴染み深い。
どのラジオ番組だったか忘れたが、あるときスコット・ウォーカーが15歳のとき歌ったという「キャサリン」がかかり、その曲の良さと高い完成度に驚いた。ラジオで数回しかこの曲に遭遇しなかったが、いつか聴くこともあるだろうと忘れなかった。
じつは、知らなかったのだけど、日本でシングル盤が出ていたのである(1967年11月)。さらに、アルバムでも「スコット・ウォーカーの魅力(Fresh World Of Scott Walker)」が販売されていた(1968年3月)。
scott walker 2.jpg1995年になって、エーサイド(A-Side Records)で“Early Years Of Scott Walker / Scott Engel When Is A Boy A Man”(AZ-8006)なるCDが発売された。早速購入し「キャサリン」と再会をしたのは言うまでもない。
2007年に日本盤で“Early & Rare Scott Walker! / Looking Back With”が販売されたが、これは1968年に英国でリリースされたものである。ただ、「キャサリン」という曲がいち早く発売され、話題になったのは日本だけのような気がする。英国や米国ではどうだったろうか?

それでは略歴など記しておきたい。
本名をノエル・スコット・エンゲル(Noel Scott Engel)といい、1943年1月9日、米国オハイオ州ハミルトン(Hamilton, OH)で生まれた。
父親の仕事(石油会社の副社長)の関係で居住地を転々とするが、6歳のとき両親が離婚、母親のベティ・エンゲルに引き取られた。その後ニューヨークやロサンジェルスなどに移り住んだ。

10歳の頃から音楽活動を開始し、当時人気歌手だったエディ・フィッシャー(Eddie Fisher,“Oh My Pa-Pa, 1954”などの大ヒット曲がある)に可愛がられ、彼のテレビ・ショーに度々出演するようになった。もちろんフィッシャーの歌唱法などに影響を受けたことは言うまでもない。
ところが、フィッシャーがエリザベス・テイラー(Elizabeth Taylor)との結婚・離婚(テイラーにとって4番目の夫、余談になるが、フィッシャー自身はデビー・レイノルズ(Debbie Reynolds)やコニー・スティーヴンス(Connie Stevens)らと5回結婚、4回離婚している)などで人気下降、スコットはフィッシャーの元を離れることになった。

19歳のとき、14歳で知り合ったジョン・マウス(John Maus)との運命の再会を機にデュオを組んでクラブなどで歌っていたが成功には至らなかった。
ジョン・マウスとは、ウォーカー・ブラザーズのメンバーのひとりジョン・ウォーカー(John Walker)のことである。また一時期エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)のバック・ミュージシャン(ドラム)をやっていたゲーリー・リーズ(Gary Leeds, ゲーリー・ウォーカー)を加え、1964年末、ウォーカー・ブラザーズを結成、活動拠点を英国に移し、フィリップス・レコード(Philips Records)と契約をした。

その後、スコット・ウォーカーは、ウォーカー・ブラザーズのリード・シンガーとして大活躍。解散するやソロ歌手へと独立し、再度ウォーカー・ブラザーズを結成(1975-77年)したり、多彩な音楽活動などで現在に至っているようだ。

本記事では、スコット・ウォーカーよりも少年歌手スコット・エンゲルに焦点を当てているので、スコット・ウォーカーのその後の記事を省略した。

ディスコグラフィー
(英国盤シングル)
When Is A Boy A Man / Steady As A Rock(RKO Unique 386)1957 (as Scotty Engel)
Livin' End / Good For Nothin'(Orbit R506)Mar.1958
Charley Bop / All I Do Is Dream Of You(Orbit R511)1958
Bluebell / Paper Doll(Orbit R512)Sep.1958
Golden Rule of Love / Sunday(Orbit R537)1959
Comin' Home / I Want To Know(Orbit R545)1959
Take This Love / Till You Return(Hi-Fi 586)1959
Anything Will Do / Mr Jones(Liberty F55312)1961
Anything Will Do / Forevermore(Liberty F55428)1962
Devil Surfer / Your Guess(Martay)1963

(米国盤シングル)
Bluebell / Paper Doll(Vogue Pop V9125)1959
Livin' End / Good For Nothin'(Vogue Pop V9145)Jun.1959
Charley Bop / All I Do Is Dream Of You(Vogue Pop V9150)1959

(日本盤シングル)
Anything Will Do / Forevermore(Liberty LR-1832)1967
Kathalene / The Livin' End(Polydor DP-1152)Nov.1967
Too Young To Know / Sing Boy Sing(Polydor DP-1556)1968


“Kathalene”1958


“Take This Love”1959


“Till You Return”1959


“Anything Will Do”1961


The Walker Brothers“Sun Ain't Gonna Shine Anymore ”1966


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